[ゲノム研究分野について]
教員と研究内容
教員と研究内容のご紹介
須賀晴久【教授・分野長】
植物病原性糸状菌における病原性機構の解明
近年、食料の安全性や世界規模で見た場合の食糧不足、農薬の環境への影響が問題化しています。
それらを解決するためには作物病害を適切に防ぐことが重要で、特に病原菌の性状について深く理解していることが求められています。
本研究室では植物病原菌として良く知られたフザリウム菌のゲノム、プロテオーム解析により植物病原性糸状菌における病原性の分子機構ならびにゲノムの進化機構の解明をめざしています。
高島茂雄【准教授】
ペルオキシソーム病発症機構の基礎生物学的研究
ペルオキシソーム病は細胞内小器官であるペルオキシソームの異常に起因する遺伝性疾患です。
原因となる遺伝子が同定されているものの発症の具体的な細胞内、生体内のメカニズムはわかっていません。
ペルオキシソーム病患者に由来する細胞や遺伝子編集で作出した疾患モデル細胞を詳しく調べることで病態が発症するに至る細胞生物学的な原因を探っています。
一方でペルオキシソーム病は多くの組織、器官に異常が見られる複雑な疾患なため病態を再現する小型脊椎動物 (ゼブラフィッシュ、マウスなど)を使って組織、器官レベルでの発症機構を明らかにする研究も行っています。
Shigeo Takashima, Ph.D.
E-mail : takashima.shigeo.x9@f.gifu-u.ac.jp
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下澤 伸行【名誉教授】
遺伝性代謝疾患の病態解明 -基礎と臨床の架け橋に-
細胞内小器官の1つであるペルオキシソームの代謝異常症の研究に長年携わり、国内唯一のペルオキシソーム病診断センターとして国内外より多くの患者解析依頼を受け、 いくつかの新規遺伝子病や温度感受性現象の発見、ペルオキシソーム欠損症では岐阜大学の分類を世界に提唱しています。
ペルオキシソームの生体内における機能自体、未解明の部分が多くゲノミクス、プロテオミクスにGCMSを中心とした生体の代謝産物を解析する“メタボロミクス”も加えた解析システムを構築して単一遺伝子病から生活習慣病にいたるペルオキシソーム代謝疾患の総合研究分野を確立し、将来的には代謝病全体を網羅的に解析(オーミックス)できる疾病研究へと発展できればと考えています。
ペルオキシソームは酵母から植物、動物にいたるまで広く存在し、共通の生理的機能を有しており、学内外の多くの先生と協力して大型の研究プロジェクトを企画したいと思います。
Nobuyuki SHIMOZAWA, M.D., Ph.D.
E-mail : shimozawa.nobuyuki.t9@a.gifu-u.ac.jp
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